出産当日の記録 I 案じたまま産むが易し
この日から8ヶ月以上も経ちました。
いま当時のノートを読み返し、あのときの 温度 体感を思い出し 腰がゾクゾクしています。
忘れないうちに このブログへと。
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数日前に破水疑惑で医院に行ったけど まだまだ なんて雰囲気だったから 予定日こえるかなーなんて、思っていた
午前2時過ぎ 子宮口に今まで味わったことのない 変な 不穏な痛みと液体感がありトイレに行くと「血」 おしるしか
「きたー」とトイレで独り言
夫を起こして報告する。
陣痛はまだだから とりあえず寝ようとするが 興奮で眠れずに明朝4時44分
まだ様子見で、ということで。
昨日、道の駅でたくさん買い出しをしたから食材が無駄になってしまう。
そんな義務感と遠足の日のワクワク感で台所へいき 牛ごぼうとおむすびをこしらえる。
波がくると「うっ...」と少し立ち止まる程度。
間隔は3-15分 バラバラだ
「規則正しく正確にくるもの」ではないのか?わたし間違えてるの?
「これ、波?」と自信がない。でも陣痛だわ、とわかる。
自信がないから「会社いっとく?」と夫に伝える。
けどいつの間にか始業時間の会社に電話をして 休むことを伝えていたようだ。
そんなんで昼まで凌ぐ。
昼前に湯船に40分くらいつかる。クナイプのローズをこの時の為に用意しておいたのだ。お風呂の中で陣痛が進んだ気がするが あたたかいお湯のパワーはすごい 痛みが和らぐ
風呂からでたら結構な痛みに変わっていた。
生理痛のすごい版?
やばすぎる下痢?
そんな噂を親や友人から聞いていたが
まるで違う。
腰にきた。
とにかく腰。
枕3つと羽布団で丸太をつくり 蝉みたいにしがみついて 波をやりすごす。
この頃には陣痛の計測は夫に依頼して 蝉に集中していた。
一方、夫は「鍋」に舌鼓をうっている。道の駅で買った大量のほうれん草と お肉で 常夜鍋* をこしらえて。
* 常夜鍋 (大学時代のバイト先のマスターに教えてもらった鍋)
安い 美味い 簡単、の最強シンプル鍋。具材は ほうれん草と豚肉。タレは醤油にコショウをたくさんふる。あれば柚子皮。鍋に湯を煮立て、肉とほうれん草を入れてタレにつけて食べるのみ。柚子皮と一緒に食べれば美味しさ100倍。白ご飯をほおばれば美味しさ10000倍。
夫、土壇場に弱く わたしの陣痛がきたら パニックで運転もできないだろうと私も 彼自信も案じていたが とても平静だ。陣痛タクシーも登録していたけど 夫が運転するという。
「もう、無理!産院いこう!」
と申告して 準備ができた頃には
もう手遅れ感満載の陣痛っぷりになっていた。
耐えすぎた。
産院まで40分。
この状態で階段を降りることなんて想像できない。けど一瞬の隙をついてなんとか、駐車場の車にイン。
2月の とても暖かいお昼時だった。
「あっつ..」と夫も腕まくりしている。
わたしは後部座席に横になる。
うざいくらいの暑さだ。
窓から射し込む陽の光がモヤになっている。
産院は山道を経る。
車での陣痛は 本当につらい。
運転席の頭部の金属部分にタオルをひっかけて 引っ張って凌ぐ。
手にもったipodの音源は もはや何も役に立たず むしろイライラさせ、どっかへ投げ捨てた。
「鈍い金属じみた痛み」
それが腰にくる。
生理痛でも、下痢でもなく
ひどい頭痛が腰にあるような。
「ディズニーランドのスペースマウンテンに乗りながら 鈍い鉛の板を腰にあてがい ハンマーで思いっきりたたかれてるようだ。」
のちに夫にこう表現する。
体感では3分おきくらいか
山道に入った時には 地球外に吹っ飛ばされるような
その1回1回を全力で乗り越えないと精神崩壊しそうな波
不思議とあっという間に産院についた。
車から降りたわたしは
そのまま駐車場に倒れこんでしまった。