Journal Hinoko Ameno

新米かあさんの記録です

父タカオがもたらしたトラウマと恐怖 こどもは傷つきやすいよ

 
 
昨夜、わたしの野良父、タカオの存在を紹介させていただきました。
 
休日なのに乳幼児の母らしく定例の5時(泣)に起きてしまいもう少し父のことを書けるかな、と自室でせっせとタイピングしています。
息子の飯は主人がつくることでしょう。
 

 

さて、

 

小学校教諭で仕事を愛するわたしの母は土日でも仕事に精を出していたので平日は祖父母と、土日はタカオと過ごした。

 

タカオも小学校教諭だけど、特別支援学級のためか土日は熱心に仕事をしていなかったと思います。

というか母が熱心すぎ。

 

 

休日の片方は学校に行っている日もあって、それは父が趣味で学校につくってしまった畑の手入れのため。

ほんの数回わたしも連れられて誰もいない休日の小学校、わたしにとっての他校へ遊びに行った時は

父の庭(正式には学校のだけどな)ではサルビアとかトマトやナスだとかそんな植物を栽培していて ウサギに餌をやったり 校庭周辺の大振りのヤマモモを採集して食べたり 支援学級の教室に入って そこで花をスケッチしたこともあります。

 

そんな日は父はなにか忘れ物だとか用事があったのかもしれません。

支援学級の教室にはおもちゃ(?)がたくさん置いてあったり、ストーブがあったり「いいなあ!」と小学生のわたしは思ったものでした。

 

父自身がこのように趣味に傾倒する性格なので、ハードワーカーでないことがわかりますでしょう。

実家に住んでいる私の妹も現在は小学校教諭となり、若手のためか 休日もバリバリ仕事をしていて

「もおおおおおう!ママとユカちゃんは仕事しすぎだよおおおおお!!!!」と父はプリプリしていたそう。

苦笑しながら妹が教えてくれました。

 

 

そんな父とすごす日々は楽しく奇異で恐怖でもありました。

彼は子どもの心をもつ人。です。

 

 

きょうは植え付けられたトラウマのふたつを紹介します。

 

 

 

エピソード1

題名「七夕」

 

 

わたし3、4歳だったかな。

母方のじいじばあばと、母、タカオと5人でイトーヨーカ堂に行きました。

イトーヨーカ堂というだけでテンション爆上げ。

しかもばあばと買い物だから、サンリオショップでたくさん買ってもらえちゃうなーとエントランスをくぐりました。

エントランスをくぐった先にに大きな笹の木が。七夕の季節。

よくあるように、近くに小さい机と短冊とペンが!

 

文字が書けたか書けなかったか、わたしはお願い事を短冊に託しました。

でも くくりつける紐がないのです。在庫切れです。

わたしが「紐ないやん」と気づく前に 横にいたタカオが「ハイ」と細い紐を差し出しました。

 

髪の毛です。自分の毛髪をブチっと抜いて「臨機応変に」対応してくれました。

 

 

 

 

ドン引き。

 

 

 

 

 

ひょっとしたら私の人生の中で記憶している最古の「ドン引き」という感覚。

 

 

髪の毛って自分で抜くことができるんだ、という幼児らしい驚きとともに

きたないんじゃないかとか

もう切り取られた「髪」に「死」のような 漠然とした不安をもって

今でもその気持ちを再現することができます。

今ではこのように言葉にできるけど 当時は 意味のわからない感情でいっぱいでした。

 

 

 

 

「・・・・いいの?」

 

 

 

 

そんな返答をしました。

記憶はそこでとぎれているので短冊が飾られたかどうかはしりません。

 

父はそれを実用的な意味で私に渡したのか

それとも「恐怖」をうえつけるために渡したのか、しりません。

 

 

父にはそういう面があります。

子どもが傷つきやすいとわかっていて、わざと皮肉的な意味で「ささやかな恐怖」をうえつけることを楽しみにしているような面が。

遊び心なのでしょうが。

 

 

 

わたしは毎度本気で受け止めます。だって子どもだもん。

 

 

 

 

エピソード2
題名「ドッグフード」

 

 

母がたの祖父母、通称じいじとばあばの家が大好きでした。

 

母はその家でベビーを里帰り出産して産まれてから1歳頃まで、じいじばあばの世話になりました。

タカオと母と私はこの家の近くに一時的に小さなアパートを借りて住んでいました。

 

後に私の実家となる、父がたの祖父母の家 から車で1時間もかからない場所にあります。

タカオの職場はそちらにあるので、彼は車で毎朝通勤していました。

 

じいじばあばの家を離れたあとも

月に1回は「お泊まり会」と称してしょっちゅう遊びにいっていた思い出の家です。

 

その家のつくりはこんな感じで

 

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丘の上に建っているので2階に玄関と駐車場があり、更に3階

そして庭と同じ位置に1階がある、というつくりでした。

 

屋外の駐車場には荒いコンクリートでできた階段があって、そこを下っても庭に通じます。

庭にはタローという雑種の犬が放し飼いになっていました。母が大学時代にいきつけの美容師からもらったワンちゃんです。

 

 

トラウマ記憶は、そのタローを階段で観察していた場面から始まります。これも私が3、4歳かなあ。

 

 

その日、タカオは階段に腰掛け わたしはタカオに腰掛けタローを観察していました。

犬が恐かったので (今でも!) 階段から庭を行き来するタローを見下げていました。

 

 

しばらく無言な時間。

 

 

すると父が突然、足元に落ちていたカリカリドッグフードを食べてみせたのです!

 

そしてもう一粒!

 

 

「!!!」

 

 

彼は、おちゃらけて食べてみたのでしょう。

 

でも「犬の食べ物を喜んで食べている」ことが恐い。

 

異種の食物を食べている。

死んじゃうんじゃないか?食べることが可能なのか?

まさか父は犬人間なんじゃないか……!

 

 

変な感情がぐるぐる。これもドン引きしました。

だから今でも憶えています。

どう反応したかは憶えていない。

 

 

 

 

 

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